ビジネス実務能力開発に焦点をあてた研究活動を推進する ― Japan Society of Applied Business Studies

会の趣旨

 本学会は1981年に「日本秘書学会」として設立され、その後、時代の要請に応える形で1996年に「日本ビジネス実務学会」へと名称を変更しました。ビジネス実務研究は、ビジネス現象を働く者の立場から探究するもので、ビジネスを上から(経営者の立場から)見る経営学とは視点が異なります。秘書教育からスタートした本学会は、40年数年間一貫してビジネスワーカーの側からみたビジネス実務現象の探究と、現場で求められる汎用能力育成のための教育について実績を積んできました。

 本学会の特徴を2つ挙げます。

 第一にpractical=実践的であること。私たちは常にビジネス現場で今何が起こっているかを考え、その現象を捉えるために様々な調査をし、得られた知見をビジネス実務教育に活かせるよう努めています。近年のAI(人工知能)やICT(情報通信技術)の進化は目覚ましく、過去の常識の妥当性が次々に問われるようになってきました。こうした変化に対する感度を上げ、実践的に問題に取り組んでいくためには、同じ志を持つ人たちが情報交換し、お互いに切磋琢磨していくことが大切です。また、AIやロボティクスが進化すればするほど、人間が行う仕事の意味付けという文脈で、学会設立時から培ってきたコミュニケーション研究やビジネスマナー教育の重要性もむしろ高まってきました。変わりゆくもの、変わらないもの。不易流行の精神をもってあたることが重要だと感じています。

 第二に、会員同士が和気藹々と交流し、楽しい雰囲気の学会であること。もちろん研究活動には手法の妥当性や厳密さが求められますが、お互いにフラットな立場で助言し合い、高め合う良いカルチャーが醸成されていることは本学会の大きな特徴であり、利点であると思います。私自身、企業から高等教育の場に転じ、33歳で本学会に入会したときは研究上の実績はほとんどありませんでした。それでも当時の素晴らしい先生方と親しくお付き合いさせて頂き、ご指導を賜ったことで今日があると感じています。北は北海道から南は九州・沖縄まで、本学会は6つのブロックに分かれており、全国大会以外にも地域でのブロック研究会が活発に行われています。こうした機会を捉えて会員相互のコミュニケーションを密にしていることがそれぞれの成長にもつながっています。

 本学会では企業第一線で活躍している方、教育・研究者、大学院生など様々な立場の方が入会され、活躍しています。最近では商業高校の先生が研鑽を積み、高等教育に転じられた事例もありました。これからも多くの方々の参加を得て、アカデミックな世界とビジネス現場の懸け橋となるよう活動を積み重ねていきたいと存じます。

2023年6月
日本ビジネス実務学会会長 大島 武

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