ビジネス実務能力開発に焦点をあてた研究活動を推進する ― Japan Society of Applied Business Studies

会の趣旨

top_president_img_yonemoto本学会では、ビジネス実務を「働く人が実感する現場の汎用的能力の総体」と定義し、刻々と変化するビジネス現場の「過去・現在・未来」を学際的に探究しています。経営組織学者で著名なクルト・レヴィンが「There is nothing as practical as a good theory(よい理論ほど実践的である)」と述べているように、我々は常にフィールドに立脚した実践アプローチの姿勢を重視し、そこで得られた研究成果を主に高等教育の現場に還元しながら、理論と実務を融合させることによって社会に貢献しています。

本学会は1981年に「日本秘書学会」として設立され、その後、時代の要請に応えるため1996年に「日本ビジネス実務学会」へと学会名称の変更をしました。本学会の活動基盤は、約40年間に渡り、一貫して一人ひとりのビジネス・ワーカーの側から見た「ビジネス実務の研究と教育」の実績に支えられています。

私は、このような歴史と活動領域から、本学会は大きく4つの特色をもつと考えています。
1つめは、働く人が実感する現場の諸問題に対して、アカデミックと実務を融合させた汎用能力の探究という、今日の高等教育においてその重要性がますます高まっているテーマに真正面から取り組んでいる、極めてユニークな学会と言うことです。

2つめは、それを可能しているのは、本学会には豊富なビジネス経験を持った実務家教員と女性研究者が多く在籍をしていることが理由として挙げられます。実務家教員には、アカデミックな手法を用いて相互的にコラボレーションできるプラットフォームの役割がこの学会にはあり、また、女性の活躍が期待される社会では、女性研究者の視点は欠かせないものとなっています。

3つめは、アカデミックな研究スタイルが学べる自由闊達でフラットな雰囲気がこの学会にはあります。AI(人工知能)やICT(情報通信技術)の進化によってビジネス環境の激変が避けられない今日では、次世代を担う若い柔軟な発想が必要となります。この学会には、伝統的に短期大学の教員も多く在籍し、多様な視点から自由闊達に話し合える雰囲気があります。

4つめは、地区ブロック内での相互ネットワークが強いことです。本学会は、北は北海道ブロックから南は九州・沖縄ブロックまで、6つのブロックが地域に密着した活動を行っており、いわゆる顔の見える関係で会員相互がネットワークを形成しています。

大学教育の現場では、汎用能力の開発、就業能力の開発、その前提となる能動的学習や学生中心の教育への転換など、社会からの要請を受けた教育改革が進んでおり、本学会のプレステージは今後ますます高まっていきます。これまでのビジネス界での豊富な経験を活かして、大学などのアカデミックな世界で理論化したい企業の実務担当者の方、また、その経験を大学などで実際に次世代の若者のための教育に生かしたい実務家教員を目指す方、PBLやインターンシップなど、日々のビジネス教育や研究を、さらに多くの研究者と交流することでバージョンアップしたい教員の方などにとって、本学会は「楽しく学べてためになる学会」です。ぜひ企業の実務担当者、教育・研究者、行政関係者、大学院生など多数の参加を得て、アカデミック世界とビジネス現場の架け橋となるような活動を積み重ねたいと存じます。

2019年6月1日
日本ビジネス実務学会 会長 米本 倉基

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